〈話題〉

2011年のミステリ映画悪魔の一ダース

毎年元旦に届けられる日本推理作家協会報に書いた昨年のミステリ映画ベストテンはこれ。3作もはみ出してますが…。原稿書いた時点で観てたらきっと入れた『サラの鍵』と、見逃して気になっている『レイン・オブ・アサシン』が心残り。 ゴーストライター ファ…

クリスティーの代表作が新訳へ

すでに、『そして誰もいなくなった』(青木久恵訳)と『五匹の子豚』(山本やよい訳)が書店に並んでいるようですが、続刊8作を含めて、合計10作の新訳版刊行が予定されているようです。続刊8作のラインナップと訳者は、次のとおりです。 なお、『そして…

公開間近の映画化された「レポメン」

訳者あとがきなどで、映画化のニュースがいち早く伝わっていたエリック・ガルシアの「レポメン」(新潮文庫刊)ですが、ただいま日本公開待機中。すでに、あちこちの映画館で予告編が上映されているようです。 主演は、すでに喧伝されているようにジュード・…

公開がひと月後に迫った「運命のボタン」

リチャード・マシスンの原作を「ドニー・ダーコ」のリチャード・ケリー監督が映画化した『運命のボタン』がいよいよ5月8日から公開されます。主演は、キャメロン・ディアス。すでに、同原作を表題作にしたマシスンの新編短篇集がハヤカワ文庫から刊行されて…

ヨークシャー4部作が着々と映像化

デイヴィッド・ピースのヨークシャー・リッパーを主題にした4部作が、イギリスのチャンネル4でテレビドラマ化されています。4作の原作は、シリーズとして3部作に再構成されたらしく、イギリス本国では昨年の3月にオンエア、好評だったようです。 その後、ア…

2009年の闘うベストテン

恒例のミステリチャンネル「闘うベストテン」の結果は以下のとおりです。今年から、米ケーブルテレビ局のAXN傘下となってリニューアルされ、「第1回AXNミステリー闘うベストテン」となりました。選者は、豊崎由美、香山二三郎、大森望、杉江松恋、石井千湖…

ダン・ブラウン新作の日本上陸は来年3月

『天使と悪魔』、『ダ・ヴィンチ・コード』に続くダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ第3作『ロスト・シンボル』の日本発売日が来年3月3日と予告されました。翻訳は過去2作と同じく越前敏弥。角川グループパブリッシングより、上下巻各1890円の予定。…

劇団フーダニットの10周年記念フェスティバル

ミステリ劇を専門に上演する劇団フーダニットが、創立10周年を記念してフェスティバルを開催します。12月19日と20日の両日、劇団の地元である江戸川区清新町のコミュニティ会館にて。(東西線西葛西駅下車徒歩10分)現時点で決まっている出し物は、次のとお…

コラライン、いよいよ日本公開

すでに海の向こうでは今年の2月に公開済みのニール・ゲイマン原作、ヘンリー・セリック監督「コララインとボタンの魔女」の日本公開が正式に決まりました。ヤッホー。公開は2010年2月の予定。 今回は、ウェブ版の予告編をご紹介しておきます。(劇場用とま…

クリスティの未発表短篇はポアロもの

1976年に85歳で世を去ったアガサ・クリスティが生前に使っていたノートブックが見つかり(73歳の頃らしい)、イラストやメモとともに未発表の短篇2篇が含まれていたことが伝えられていたが、この秋めでたくHarperCollins社から「Agatha Christie’s Secret No…

トンプスンの代表作が映画に

ジム・トンプスンの代表作中の代表作「おれの中の殺し屋」(旧題「内なる殺人者」)が映画化されました。主演は、ルヘイン原作の「ゴーン・ベイビー・ゴーン」にも出ていたケイシー・アフレックで、監督はマイケル・ウィンターボトム。サンタモニカの映画見本市…

全米公開が間近となった映画の「ザ・ロード」

公開が遅れていたコーマック・マッカーシー原作の映画「ザ・ロード」が、いよいよ今月末、本国のアメリカで公開されることが決まった模様です。製作過程では、ゾンビ映画さながらのメイクなどが伝えられ、どうなることやらと心配もしましたが、予告編を観る限…

創元推理文庫の近刊予定

10月15日付けの東京創元社のメルマガにて、創元推理文庫の近刊のラインナップが明らかにされました。海外ミステリ関係は、次のとおり。ちょっとした驚きのラインナップになってます。P・マクの「Xに対する逮捕状」は、「気ちがい殺人」(Murder Gone Mad)…

本年度ハメット賞にペレケーノス

癖のある作品を選出することでおなじみの国際推理作家協会(INTERNATIONAL ASSOCIATION OF CRIME WRITERS)北アメリカ支部が主催する2009年のハメット賞に、ジョージ・ペレケーノスの「The Turnaround」が輝きました。これまで翻訳紹介してきた出版社から見捨…

ウェストレイク脚本の映画がリメイク

昨年末に惜しまれて世を去ったドナルド・E・ウェストレイクですが、彼の原案で、脚本も担当した「W/ステップファーザー」(1988)がリメイクされます。(ブライアン・ガーフィールドとの共同執筆)元のジョゼフ・ルーベン監督作品には、「ステップファーザー…

今年のCWA賞の候補作

今年のCWA(英国推理作家協会)賞の候補作ショートリストがすでに発表になっています。長篇賞部門で候補として残っているのは次の6作。発表は10月21日が予定されている模様です。 Kate Atkinson 「When Will There Be Good News? 」(Black Swan/Transworl…

「翻訳ミステリー大賞シンジケート」がいよいよスタート

「ミステリマガジン」で隔月連載中の「翻訳ミステリ応援団!」がきっかけとなったブログ企画がスタートする模様だ。内容は、近刊ミステリの先取り紹介や書評、コラムなど。サイト管理は杉江松恋。日替わり更新を目指すようなので、大いに期待したい。なお、…

劇団フーダニットが十周年の節目に「罠」を再演

来るシルバーウィークに、今年で創立10年目を迎えたミステリ劇専門の劇団フーダニットの記念公演が予定されています。上演されるのは、ロベール・トマの代表作で、ミステリ劇の古典的名作「罠」で、今回は2000年12月の記念すべき旗揚げ公演で上演され…

創元推理SF文庫の復刊フェア2009

文庫創刊50周年にあたる今年は、春先の読者を対象にしたリクエストのアンケートをふまえて、作品を決定したとのこと。新カバーは4点のようです。9月下旬から開催中。ラインナップは下記のとおり。 エラリー・クイーン編『犯罪文学傑作選』●新カバー シャー…

ジョン・バカン原作のコメディが上演されます

イギリスでは2007年のオリヴィエ賞(Best New Comedy部門)に輝いた「THE 39 STEPS-秘密の暗号(コード)を追え!-」が、明年2月に日比谷シアタークリエにて上演されます。ヒッチコックも映画化したジョン・バカンの原作(「三十九階段」)をパトリック・バ…

ハウスホールド「追われる男」の続編

英国冒険小説の輝かしい古典のひとつに数えられるジェフリー・ハウスホールドの「追われる男」は、村上博基の新訳が2002年に創元推理文庫から出たが(1960年刊の旧版は宮本陽吉訳)、その43年後に書かれた続編が翻訳紹介されます。「Rogue Justice」(1982)がそ…

「シャッターアイランド」の日本版予告編

デニス・ルヘインの原作を、マーティン・スコセッシが監督した映画「シャッターアイランド」の日本公開用の予告編が観られます。主演は、ご存知、レオナルド・ディカプリオ。なお、日本公開は、今年の年末が予定されていましたが、来年上半期に順延されたよ…

「拳銃猿」映画化か?

「映画秘宝2009年10月号」によれば、ヴィクター・ギシュラーのガン・アクション・ミステリ「拳銃猿」に映画化の噂がある。詳細は未定だが、監督はアメリカに渡った北村龍平監督。クライヴ・バーカーの短編を映画化した「ミッドナイト・ミート・トレイン」は…

ファルコン賞はS・J・ローザン

マルタの鷹協会日本支部が主催するファルコン賞の今年の受賞作が決まりました。ジェイムズ・リーズナーの「聞いてないとは言わせない」などとデッドヒートを繰り広げた結果*1、S・J・ローザンの「冬そして夜」が見事栄冠に輝きました。 「冬そして夜」は、中国系…

ガイ・リッチーが描くシャーロック・ホームズ

マドンナと離婚、撮る映画の評判もいまひとつというガイ・リッチー(『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『スナッチ』)だが、ロバート・ダウニー・Jrがホームズを演じる「シャーロック・ホームズ」を製作中とのこと。ちなみにワトスン役…

秋のリバイバルあれこれ

あちこちで名作復活の動きがあるようなので、まとめてご案内を。 ハヤカワ・ミステリ文庫からは、極上のコージー・ミステリであるクレイグ・ライスの「スイートホーム殺人事件」が羽田詩津子の新訳で登場する。また、文春文庫海外部門の黎明期に話題となった…

久々にドン・ウィンズロウが出ます

途中に、ポール・ウォーカー主演の映画「ボビーZ」(原作はもちろん「ボビーZの気怠く優雅な人生」)の公開とかはありましたが、ドン・ウィンズロウの作品が翻訳紹介されます。2006年8月にニール・ケアリーものの番外編「砂漠で溺れるわけにはいかない」が出…

花組芝居版の「ナイルに死す」

この秋、小劇場系の老舗である花組芝居が、『ナイルの死神』と題して、クリスティの「ナイル殺人事件」を上演します。会場と日程は、東京が俳優座劇場にて10月23日から11月1日まで、神戸が新神戸オリエンタル劇場で、11月7日と8日の両日を予定しているようで…

トム・ロブ・スミスの第二作が出ます

デビュー作の『チャイルド44』を引っさげ、昨年の「このミステリーがすごい」の海外部門で一位の座に輝いたイギリスの新鋭作家トム・ロブ・スミスの第二作が出ます。 タイトルは『グラーグ57』(原題は The Secret Speech)で、前作『チャイルド44』の後日…

今年のCWA賞第一弾は

すでに各所で報じられていますが、今年のCWA(英国推理作家協会)賞の一部が発表されました。公表されたのは4部門で、Short Story DaggerがSean Chercover の「One Serving of Bad Luck」(ローレンス・ブロック、ローラ・リップマン、ピーター・ロビンソ…