検死審問ふたたび/パーシヴァル・ワイルド(創元推理文庫)

抱腹絶倒のユーモアと機知にとんだ面白さで喝采を叫ばせてくれたパーシヴァル・ワイルドの「検死審問」から一年。続編にあたる『検死審問ふたたび』が出た。タイトルどおり、前作の後日談で、今度は都会から越してきたパルプ作家が焼死した事件をめぐって、リー・スローカム検死官以下、前作でおなじみの面々が、てんやわんやの検死審問を繰り広げる。真相が浮上し、検死官が見事な裁きで読者の意表をつく終盤の展開がとりわけ興味深い。本格ミステリの温故知新ともいうべき出来映えに今回も大いなる拍手を送りたい。
本の雑誌2009年6月号]

検死審問ふたたび (創元推理文庫)

検死審問ふたたび (創元推理文庫)