ルーズベルト暗殺計画/デイヴィッド・L・ロビンズ(新潮文庫)

「鼠たちの戦争」の作者デイヴィッド・L・ロビンズが、今なおその死に謎が残る第三十二代アメリカ合衆国大統領ルーズベルトをめぐる史実に取材した『ルーズベルト暗殺計画』。二次大戦下、大統領の命を狙って、すご腕の女暗殺者がワシントンに潜入する。そんな緊急事態に、ホワイトハウスは暗殺史のエキスパートである歴史学の教授をハントし、暗殺の阻止に乗り出す。
住み慣れた学問の世界から、突如野蛮な世界へと狩り出された主人公の教授が、困難な任務にどう立ち向かうかが最大の読みどころだ。使命に邁進しながらも、主人公は謎の女暗殺者への興味を深めていく。大統領暗殺をめぐるスリリングな展開も読み応え十分だが、歴史における暗殺とは何か、というテーマが非常に興味深い。
[本の雑誌2008年5月号]

ルーズベルト暗殺計画〈下〉 (新潮文庫)

ルーズベルト暗殺計画〈下〉 (新潮文庫)

ルーズベルト暗殺計画〈上〉 (新潮文庫)

ルーズベルト暗殺計画〈上〉 (新潮文庫)