湿地/アーナルデュル・インドリダソン(東京創元社)

警察ミステリの本場といえば、マクベイン、ウォー、リューインらを生んだアメリカだが、シューヴァル&ヴァールーのまいた種がマンケルらの活躍となって実を結んだ北欧は、今やその地位を逆転しつつある。アイスランドから登場したアーナルデュル・インドリダソンもそんな北欧シーンを代表する書き手のひとりだ。
湿地に建つ石造りのアパートから見つかった死体には、奇妙なメッセージが添えられていた。レイキャヴィック警察の捜査官エーレンデュルは、死者にまつわる忌まわしい過去を暴いていくが。事件と並行して描かれる私生活から伝わる主人公の人間的な魅力も印象的。スカンジナヴィア推理作家協会の〈ガラスの鍵賞〉受賞作だ。
このミステリーがすごい!2013]

湿地 (Reykjavik Thriller)

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