18の罪/エド・ゴーマン&マーティン・H・グリーンバーグ編(ヴィレッジブックス)

メイン・ディッシュ級の大長編もいいけど、たまには食後のデザートに味なショート・ストーリー集はいかが? ジェフリー・ディーヴァーやローラ・リップマンといった名だたる面々が腕をふるうエド・ゴーマンとマーティン・H・グリーンバーグ共編の『18の罪』である。
「あっ」といわせる意外性から、ドキドキのスリルまで。そんな幅広いセレクトも魅力だが、十八の収録作中十五編が初紹介というのも嬉しいところ。何はともあれ、冒頭のローレンス・ブロックの「純白の美少女」をお試しあれ。あとをひく面白さに、次々ページをめくってしまうこと間違いなし。欲ばりな読者のお眼鏡に叶うこと間違いなしのクオリティ高い傑作選である。
(付記)編者チームの片割れ、グリーンバーグは2012年逝去、パトリシア・アボットは「さよならを言うには」、「暗黒街の女」(ともにポケミス)の翻訳があるミーガン・アボットの母親にあたります。また、プロンジーニ作品は名無しの探偵ものです。
[波2012年12月号]

現代ミステリ傑作選 18の罪 (ヴィレッジブックス)

現代ミステリ傑作選 18の罪 (ヴィレッジブックス)