パーフェクト・ゲッタウェイ/デヴィッド・トゥーヒー監督(2009・米)

「容疑者6人、犯人2人」という煽りのコピーがTVスポットでも流れた『パーフェクト・ゲッタウェイ』は、先月の「フォース・カインド」に続いてミラ・ジョヴォヴィッチが主演している。新婚カップルを殺害し、指名手配となったふたりの殺人犯のニュースが流れるハワイ諸島北端に位置する風光明媚な島。犯人たちは島に逃げ込んだと伝えられる中、式を終え、トレッキング旅行のためにこの島を訪れたミラとスティーヴ・ザーンのふたりは、道中次々と怪しいカップルに遭遇する。
逆転のための逆転というあざといばかりのプロットが実にわたし好み。といいたいところなのだが、脚本と演出がずいぶんと粗く、ネガがポジに替わる大逆転を楽しみながら、どうしても矛盾するように思える箇所が気になってしまう。伏線もきめ細かさに欠ける上に判りにくく、損をしている。「この映画の結末は、誰にも喋らないでください」とサプライズエンディングを華々しく謳いながら、この粗雑さはないだろう。フェアプレイにもっと気を遣えば、素晴らしいミステリ映画になった可能性もある。監督は、「ハリソン・フォード 逃亡者」、「G.I.ジェーン」の脚本や、自らの監督作「グランド・ツアー」で知られるデヴィッド・トゥーヒー。 
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