暁に消えた微笑み/ルース・フランシスコ(ヴィレッジブックス)

ロマンス小説のような邦題なので、ややもすると見逃されそうだが、ルース・フランシスコの『暁に消えた微笑み』は、なかなか味なサスペンス小説だ。ローラが別れ話を切り出すや、ストーカーと化してしまった元恋人のスコット。しかしそんな矢先、ローラは忽然と姿を消してしまう。消えた美女をめぐる謎はシンプルであるがゆえに強力だし、それをめぐりさまざまな人々が織り成していく物語の乗りの良さは、かつてのウィリアム・カッツを彷彿とさせる。本邦初紹介の女性作家だが、意外な拾い物としてお奨めしたい
本の雑誌2010年3月号]

暁に消えた微笑み (ヴィレッジブックス)

暁に消えた微笑み (ヴィレッジブックス)