桜庭編集長の６冊に選ばれた「夢果つる街」
角川文庫が創刊６０周年を記念して行っているゲスト編集長企画で、第１２代目として就任した桜庭一樹編集長のセレクトにより、トレヴェニアンの「夢果つる街」がリニューアルされました。海外ミステリのファンとしては、第６代の金城一紀編集長がリチャード・スタークの「汚れた７人」を復活させて以来の快挙。
「夢果つる街」は、モントリオールの架空の地域ザ・メインを舞台にした警察小説で、老練な刑事ラポワントが主人公。１９８８年、スタートしたばかりの「このミステリがすごい！」の海外部門で、最初の第一位を獲得した作品としても知られている。（ちなみに週刊文春では２位）
トレヴェニアンは、寡作な作家だが、作風は多彩。実力派のアメリカ作家として、多くの読者を獲得したが、2005年に他界。トレヴェニアン名義の作品リストは（Wikipediaより修正引用）以下のとおり。
- The Eiger Sanction(1972)「アイガー・サンクション」 上田克之訳（河出文庫）
- The Loo Sanction(1973)「ルー・サンクション」上田克之訳（河出文庫）
- The Main(1976)「夢果つる街」北村太郎訳（角川文庫）
- Shibumi(1979)「シブミ」菊地光訳（ハヤカワ文庫NV）
- The Summer of Katya(1983)「バスク、真夏の死」町田康子訳（角川文庫）
- Incident at Twenty-Mile(1998)「ワイオミングの惨劇」 雨沢泰訳（新潮文庫）
- The Crazyladies of Pearl Street（2006）※未紹介
