2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

特捜部Q-キジ殺し-/ユッシ・エーズラ・オールスン(ハヤカワ・ミステリ)

ユッシ・エーズラ・オールスンの『特捜部Q-キジ殺し-』は、カール警部補とアシスタントのアサドという凸凹コンビでスタートしたシリーズの第二作。本作では、コペンハーゲン警察が誇る未解決重大事件担当部署に、さらに癖のある新人女性がスタッフに加わる。…

ミスター・クラリネット/ニック・ストーン(RHブックス・プラス)

『ミスター・クラリネット』は、CWAから〈イアン・フレミング・スチールダガー賞〉を授けられた英国作家ニック・ストーンの幸運なデビュー作だ。 破格の報酬で引受けた人捜しは、二年前に姿を消した幼い少年を連れ戻す仕事だった。元私立探偵のマックス・…

背後の足音/ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

夏至の前夜に行方が知れなくなった若者たちは、どこへ消えたのか? 見過ごされかけた事件を調べることになったヴァランダーを、不意打ちのように部下の死が襲う。しかも生前その部下は、若者たちの事件を密かに追っていたことが明らかになる。 常軌を逸した…

リアル・スティール/リチャード・マシスン(ハヤカワ文庫NV)

「アイ・アム・レジェンド」、「運命のボタン」と、依然映画の原作人気も衰えないリチャード・マシスンだが、前々から噂のあった「四角い墓場」もスピルバーグのドリームワークスにより映画化され、日本でも正月映画として公開された。それに合わせて、映画…

ウィンターズ・ボーン/デブラ・グラニック監督(米・2010)

デブラ・グラニック監督の『ウィンターズ・ボーン』から、多くの人が思い出すのはやはり女性監督の手になる『フローズン・リバー』(2008)だろう。インディペンデント系の映画祭としてはおそらくは世界最大級のサンダンス映画祭でグランプリに輝いたと…

ローラ・フェイとの最後の会話/トマス・H・クック(ハヤカワ・ミステリ)

トマス・H・クックの作品は秋という季節がよく似合う。ベストテンの季節とも関係があるのだろうが、今年もこの時期にクックの新作が届けられたのが嬉しい。『ローラ・フェイとの最後の会話』は、二○一○年の新作で、〈ハヤカワ・ミステリ〉に移籍して(?)…

2011年のミステリ映画悪魔の一ダース

毎年元旦に届けられる日本推理作家協会報に書いた昨年のミステリ映画ベストテンはこれ。3作もはみ出してますが…。原稿書いた時点で観てたらきっと入れた『サラの鍵』と、見逃して気になっている『レイン・オブ・アサシン』が心残り。 ゴーストライター ファ…