2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
「都筑道夫ポケミス全解説」が早々と2刷だそうで、その売り上げ好調の追い風を受けて、〈ミステリマガジン〉の名物コラムだった都筑道夫の「読ホリデイ」の単行本化が決まった模様。足掛け14年にもわたる連載だったが、今回一冊にまとめるにあたってはベス…
ポール・アルテと生年が同じわたし。何が問題かというと、年に一冊の紹介ペースだと、アルテよりも相当長生きしないと全作品を日本語で読めないってことだった。しかし、「読めずに死ねるか」という切実な思いがポケミス編集部と訳者(余談だが、実はこの人…
トレヴェニアンの孤高ともいうべき創作姿勢は、やはり巨匠の名に値するものだろう。まさに、前作「バスク、真夏の死」から十五年ぶりの新作である『ワイオミングの惨劇』でも、今や伝説的ともなったトレヴェニアンの物語作家としての才能を見せつけてくれる…
NHK-hiでは、「HVプレミアム8 偉大なるミステリー作家たち」と題し、ミステリ史上の巨匠作家たちをテーマにした番組を連続放映するようです。1回1作家、90分で、放映の時間帯は火曜日の20時から21時半。 その初回は3月31日、テーマは今年が生誕20…
ある意味、スティーヴン・キングの原作を超えたともいわれて評判になったフランク・ダラボン監督の「ミスト」に続いて、今度は「幸運の25セント硬貨」所収のゴーストストーリー『1408号室』がスウェーデン出身のミカエル・ハフストローム監督によって映…
角川文庫が創刊60周年を記念して行っているゲスト編集長企画で、第12代目として就任した桜庭一樹編集長のセレクトにより、トレヴェニアンの「夢果つる街」がリニューアルされました。海外ミステリのファンとしては、第6代の金城一紀編集長がリチャード…
精神病院を出たばかりのヒロインと、とち狂ったギャングの一団が、くんずほぐれつの追いかけっこを繰り広げる『愚者が出てくる、城寨が見える』は、ジャン=パトリック・マンシェットの代表作と言われる「狼が来る、城へ逃げろ」の新訳版だ。篤志家の企業主…
この作家らしい冴えがイマイチだった(とわたしは思っている)エドガー賞受賞作「カリフォルニア・ガール」、共感覚というアイデアを十分に活かせないまま終った「レッド・ボイス」と、個人的にはちょっと心配な作品が続いているここのとこのT・ジェファーソ…
二○○六年の「再起」で作家として文字通りカムバックを果たしたというシナリオなのだろうけれど、どう考えても手綱を握っているのは息子のフェリックスなのだから、もうそろそろ父親ディックの方の名義は引っ込めてもいいのでは、と思ってしまう競馬シリーズ…
ロバート・J・ランディゲージ編のアンソロジー「殺しのグレイテスト・ヒッツ」の収録短編などでその名を見かけた読者も多いと思うケヴィン・ウィグノールだが、『コンラッド・ハーストの正体』で長編初登場。すご腕の殺し屋コンラッドが、あるとき長年手を染…
今年文庫創刊50周年を迎える東京創元社では、読者を対象とした企画として「復刊してほしい創元推理文庫作品」を募集し(リクエスト投票はすでに2月末日で締切。結果は4月に発表)、10月に復刊のフェアを予定しているが、それに先立ち「作家が選ぶ創元推理文…
発売日まで部外者は誰もその原稿に近づけないという厳戒態勢が敷かれた(?)と伝えられる村上春樹訳のレイモンド・チャンドラー。噂が噂を読んだフィリップ・マーロウが自分をどう呼ぶかという所謂一人称問題は、それぞれ読者で確認をしていただくとして、…
一昨年の「ロング・グッドバイ」に続き、村上春樹訳のレイモンド・チャンドラーが早川書房から出ます。今回新訳が出るのは、第二長編の「Farewell,my lovely」(清水俊二訳の邦題は「さらば愛しき女よ」)。「ロング・グッドバイ」を追いかけるように早川書…
今年はジュリエット・ビノシュが団長として率いる「フランス映画祭2009」(3.12〜3.15、於TOHOシネマズ六本木ヒルズ)で、クリスティの「ホロー荘の殺人」をフランスで映画化した「華麗なるアリバイ(仮題)」が上映されます。監督はパスカル・ボニツェール…
去年、北米で公開され、その後、韓国、台湾でも上映されたクライヴ・バーカーの同題短編を映画化した「ミッドナイト・ミートトレイン」。監督の北村龍平と原作者のバーカーとの間では、かなり激しい衝突があったと伝えられますが、その出来映えやいかに?公…
もうお読みになりましたか?今年のベストテン上位を占めること確実であろうスティーグ・ラーソンの「ミレニアム」三部作。すでに昨年12月にパート1の「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」が刊行されているけど、首を長くしてその続編の刊行を待っている…