2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ホット・キッド/エルモア・レナード(小学館文庫)

エルモア・レナードは生年が一九二五年だから、『ホット・キッド』は御歳八十才で上梓した作品ということになる。いまだ新作と届けてくれるというだけでも素晴らしいのに、それがかつての作品に負けず劣らずの傑作だというのだから、本当に驚かされる。主人…

ロジャー・マーガトロイドのしわざ/ギルバート・アデア(ハヤカワ・ミステリ)

1800番の節目だったP・D・ジェイムズの「灯台」から、ポケミスの帯がやや縦長になって、新しいビジュアルが表紙を飾るようになった。毎回その写真や絵柄には適宜な計らいがあって、これから読もうとしている本への興味を視覚的にかきたててくれる悪く…

1/2の埋葬/ピーター・ジェイムズ(ランダムハウス講談社文庫)

『1/2の埋葬』は、イギリスから登場した新シリーズブライトン市警ロイ・グレイス警視シリーズの第一作である。作者のピーター・ジェイムズはブライトン出身だが、以前はアメリカで映画の脚本やプロデュースという仕事に精を出していたようで、本作の持ち味…